ハンナの憂い

不妊治療中のクリスチャンのブログです。

モヤモヤ①〜仕事と不妊〜

不妊に関する「社会へのモヤモヤ」コーナーを作ります!

周囲で起こった出来事や著名人の発言などで「モヤッ」と感じたことを残しておこうと思います。
読んでくださった方にも同じように「モヤッ」と感じさせてしまったら申し訳ないですが、同じような経験をされた方もおられるのであれば、しっかり声をあげていくことで少しずつ世の中も動きうるのかなと思い、こんなコーナーを作ってみました。

 

ある日、上司に今後のキャリア、やってみたい仕事について相談した時のことでした。

上司はとても柔和で優しい方なのですが、不妊治療のことは伝えていないこともあり、下記のことを言われました。

「そのうち、あなたも、こどものことを考えないといけないでしょ?
せっかくあなたにやる気があって、その仕事を任せたとしても、そういう課題(こどもができても責任持って続けられるかの課題)があるよね。」

年頃の既婚女性だから当然そういうことを配慮してあげなきゃという、彼なりの気遣いであり、100%善意からの言葉だったことは明らかです。

しかし、私にとってはモヤモヤポイントに溢れたお言葉でした。

 

①「こどものことを考えないと」という点

私のように不妊で悩んでいる者からすれば、とっくに考えてるわ!と言いたくなりますし、こどもを望んでいない方にとっては、こどもを作ることが当たり前という価値観の押し付けに感じられるだろうと思います

 

②こどもができる「だろう」から仕事を任せられないという点

これは不妊の自分にとっては一番こたえた点でした。

「私は不妊なんです、こどもが与えられる保証なんてないので、こどもができるだろうからという理由でやりたい仕事を遠ざけないでください。そうやって遠ざけておいて、もしこどもが一生与えられなかったら、どうしてくれるんですか。」と言えればどんなに楽かと思いました。

ただ、実際私だってこどもが欲しいと思って不妊治療をしているわけで、そういう意味では上司の指摘の通りでもあり、自分の中で仕事を頑張ろうとしつつも不妊治療をしていることに矛盾を感じ、モヤモヤしました。

そのためその場では、「そうですね・・・」と呟くことしかできませんでした。

 

③こどもができたら大事な仕事は任せられないという点

これは不妊に限らず、こどもを考えている全ての人にとっての課題だと思います。
もともとご配慮から来ているものであり、職場としては仕方ない選択だと思うのですが、これを言われるのはまず女性だけだという点も考えると、一種のマタハラに近いかなと思います。
こどもができたら大事な仕事を任せられないのであれば、こどもができたらその時点で自分のやりたいことやそれまで一生懸命やってきたことは諦めないといけないということですし、こどもができることは職場の同僚たちにとっては迷惑であるという風に思えてしまいます。
極端に言えば、女性はこどもができたら、適当な労働時間の中で、適当に軽い仕事をしててくれればいいよ、その分のツケは周りの職員が払うんだけどね・・・と言われているように感じてしまいます。
理想論かもしれませんが、本人の意思と能力があるのであれば、こどもがいながらも責任ある仕事をこなせるような制度や仕組みが、地域にも、職場にも、家庭にもあれば良いのになあと思いました。
そうすることで、こどものいる当事者だけでなく、職場全体が、誰かが何かあった時にフォローし合える関係になるのではと思います。

 

つきつめて考えると、不妊の人にとって働きやすい職場は、妊婦にとっても、子育て層にとっても、それ以外の人にとっても働きやすい職場なんだろうな、なんて思ったのでした。