ハンナの憂い

不妊治療中のクリスチャンのブログです。

営業トークから見えた価値観

毎週注文した商品を届けてくれる生協のお兄さんが、今日は共済のチラシを持ってやってきました。

ちょうど共済か保険に入ったほうがいいかなと考えているところだったのと、いつも一生懸命なお兄さんなので、共済の営業の話も聞いてみようかなと思って聞いてみました。

ところが・・・

まず最初の会話が
「お子さんいますか?」
「いえ、いません」
「まだなんですね」
というお決まりのもの。


こどもがいるかどうかでお勧めするプランが変わってくるので、そこをまず確認する必要がある、というのはわかります。
ただ、こどもがいるのが当然、いないならいつか作るのが当然、というのが前提にあるやりとりなのが気になりました。

そのあと続く営業トークでは、こどもはいないって言っているのに、なぜか私のことを「お母さん」と呼んで会話を続けます。
生協の組合員って、こどもがいない人はそんなに珍しいんだろうか。
または女性のことはとにかく「お母さん」と呼ぶように指導されているんだろうかと思ってしまいました。

 

「ではお母さんには、こちらのプランがお勧めです。女性特有の病気・治療にはプラスで保険金がおります。例えば帝王切開とか出産に関わる病気とか・・・」
お子さんができたらこのプランがお勧めです・・・」


いやいやちょっと待って、まだそういう段階にないです、なんで産む前提になっているんですかって思いました。

 

お兄さんが帰ってから、受け取った共済のチラシを見てみると、前面に「お母さん」「お父さん」「お子さん」という表記が。
こどもがいることが当たり前、もしくはファミリー層しか意識していない表記だなと感じました。
独身の時には、こういう表現をなんとも思っていなかったんですが、こどもが欲しくても与えられないという状況になってみると、刺さるものがあります。

 

営業をされたお兄さん個人を責めたいわけではありません。
お兄さんは猛暑の中頑張って配達してくれて、上から言われた通りに、慣れない営業トークを頑張っただけです。
それよりむしろ、お兄さんに営業トークを指導した方々、また元々の共済の案内を作るよう指導した方々の、家庭に対する思い込みや価値観の狭さを感じて、悲しくなりました。
営業する上で、こどもがいる家庭であることが大前提で、不妊の方々や、こどもを望まない家庭への配慮などは全くないのだなと感じました。
不妊の方々は本来のターゲット・営業対象ではないと言われてしまえば、それまでですが・・・。

 

不妊に限らず、家庭のあり方が多様化している中で、生協の営業トークがこんなにも狭い価値観に基づいているとなると、ゆくゆくはユーザー離れにつながってしまうんではないかと思います。
生協さんを応援したいと思っているからこそ、生協さんにはもうちょっと幅広い方々への配慮を頑張って欲しいなと思います。